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中国東晋書聖王羲之(おうぎし)紹介 - 王羲之には次のような逸話がある

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中国東晋書聖王羲之(おうぎし)紹介
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王羲之には次のような逸話がある
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王羲之には次のような逸話がある

婿取り,時の有力者の一人の娘が年頃なので名家に嫁がせようと、王家の重鎮である王導のところへ目利きの門生を派遣した。門生に下見をさせた上で、正式の申込みを取り交わそうというのである。書状を添えてその門生の来意をつげれば、王導もそこは大物、恰幅の良いところをみせて、「あなた自身が東の離れに行って物色しなさい」とのこと。門生はさっそく離れにいてみれば王導のところに居候していた王家の諸郎は早くもその由を聞きつけ、ぱりっと取り澄まして普段のだらしなさはどこへ行ったかという有様である。ところがその中にただ一人、東の隅のベッドにゴロリと横になりながら何かクチャクチャと食べて我れ関せずを決め込んでいる者がいた。戻った門生はその時の様子を有力者に語ると「よし、その男にしよう」と言って正式に申し込めば、その男こそ王羲之その人であった。

王羲之は幼い頃から鵞鳥が大好きであった。ある日のこと、一軒の家の前を通ると、鵞鳥の鳴き声が聞こえてきたので、譲って欲しいと頼んだところ、一人の老婆が出て来てこれを断った。翌日、鳴き声だけでも聞かせてもらおうと、友人の一人を伴って、老婆の家に赴いた。この姿を家の窓から見つけた老婆は、すぐさま鵞鳥を焼いて食ってしまった。そして、老婆は彼に「鵞鳥は今食ってしまったところだよ」と答え、羲之は大変がっかりし、一日中溜め息をついていた。それから数日後、鵞鳥をたくさん飼っている所を教えてくれる人がおり、その人に山の向こうの道観に案内され、道士に「一羽でもいいから譲って欲しい」と頼んだところ、道士はこの人が王羲之と知って、「老子の道徳経を書いて下さるなら、これらの鵞鳥を何羽でもあなたに差し上げます」と申した。彼は鵞鳥欲しさに張りきって道徳経一巻を書きあげ、それを持参して行って鵞鳥を貰い、ずっと可愛がったという。

 羲之鵞鳥好き

王羲之は興に乗ると手近な物に字を書いてしまう習性があった。ある日のこと、酒屋で酒を買って帰る時に、店の主人が酒代を請求すると、羲之は酒代の代わりに壁に文字を書いたという。主人がその文字を見ると「金」という文字であった。主人がその文字を薄く削って売ったところ、莫大な値になり、その主人はおかげで裕福になったという。

またある日のこと、嘗て門人の家に行き、机の表面が非常に滑らかなのを見てそれに字を書いたのだが、門人の父親がこの落書きを見つけて削ってしまい、後でこれに気付いた門人は、何日もふさぎ込んでいたという。

羲之鵞鳥好き

またある日のこと、羲之が町の中を歩いていると、一人の老婆が扇を売っており、彼は売っている扇の何本かに五文字ずつ字を書いたところ、老婆は「どうしてくれる」と色をなして詰った。すると彼は「『これは王羲之という人が書いたものです』と言って売れば、少し高くいっても、きっと買ってくれます」と言ってその場を立ち去っていった。数日後、同じ場所を通ると、先日の老婆が彼を見つけて、「今日はこの扇に全部書いてください」と頼んだのだが、彼はただ微笑んだだけで、そのまま立ち去っていったという。




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最終更新 2011年 5月 04日(水曜日) 16:50